最近、こんな↓本を読みました。
近藤 仁
経理部長が新人のために書いた経理の仕事がわかる本

これは、イイです。おすすめです。


私はSEなのですが、なぜ「会計」の本を読もうと思ったかというと・・・
やはりSEもだんだん経験を積んで、お客様にシステムをご提案したり、システムでナニをするか、というシステム開発の最初の工程(システム企画とか要求定義とかいいます)に参画する際、会計の知識がないとツライな、と思ったからです。


特に、以前はWebで情報を発信するとか収集するとか、モノを売るとかのサイト開発が多かったので、それほどでもなかったのですが、このところお客様の基幹システム、例えば販売管理システムとか、物流システムとか、ECサイト開発であってもその裏側の「売った後の事務・作業・分析・計画・管理」のシステムに関わることが増えてきました。
そうすると、やはり「仕訳」とか「勘定振替」とか「在庫価額」とかの言葉が出てくることが多いのです。
販売や物流といった企業活動も、決算期にはお金に置き換えて決算書という形でその企業の価値を公開するわけで、どこかで会計システムとの情報のやりとりが必要だし、会計担当の方のお話をきかなければならず、そのときにあまりに知識がないと、最低限の意思の疎通ができません。


で、いろいろ本を探して読んでみたのですが、どうも「会計」というタイトルの本は、ムズカシすぎる。
というか、会計原則ってこういうものです、というのはわかっても、それが現場の業務にどう影響していて、システムとしてはどんな考慮が必要か、なんてことにはち~っともつながってこない。
勘定科目ってのがたくさんあるのもわかるけど、例として列挙してあるだけでそれぞれについての解説はないので、じっさいこの取引のケースはどれなんだ、似たような名前のこの勘定科目とこっちの勘定科目はどう違うんだ、というのがち~っともわからない。
実感がわかない、わけです。

この本は、新人向けというだけあって、とにかくわかりやすいです。
それに、日々の業務に即しているので、会計担当の方は日々こんな業務をこんな目的で、こんなことに気を配ってこなしているんだ、というのが実感としてつかめます。
それをシステムでどう補佐するかを考えるところからは、SEの腕のみせどころ。


それと、副作用として、自分が日々イヤイヤながらこなしている事務作業が、こんな目的だったんだ、というのがわかったりします。
システム開発の会社も企業である以上、ヒト・モノ・カネの動きがあって、それは販売管理業務なわけで、つまり会計につながっている。
PCを買うとき、3年リースにするのはなぜか。3年たつと安く買い取れるのはなぜか。勤務報告書に作業分類の内訳を入力するのは何のためか。パートナーさんに作業委託費をお支払いするときにあげる決裁書にはどんな目的があり、何を書けば決裁する人が判断しやすいか。
そんなことも、オボロゲながら理解できてきちゃったりして、ちょっと驚いています。

読み終わってみれば、会計はどの企業で働くにしても必ず必要、という著者の言葉に深く納得してしまいます。
というか、知らなくても困らない会社/職種もあるかもしれないけれど、自分の会社を評価するときやお客様の業務を理解するとき、会計を知っているのと知らないのとでは、視点や問題意識の深さがぜんぜん変わってくると思います。
すべての会社員に必要な会計の知識を得るために、小難しい本を読む前に、ぜひ一読をおすすめしたい1冊です。

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